愛護・福祉・保護、はたまた権利

ドウブツフクシを推進する活動をしています。

って言うと、フツーのヒトの反応はだいたいこんな感じ:
・んー…?あそー。(聞きなれない言葉だし面倒くさそうだからスルーじゃ)
・ドウブツキ◯ガイの動物愛”誤”家か!野良猫にエサやるヤツなんやな!
・宇宙船みたいな船でイルカ漁師を攻撃してくるアレかッ!?逃げろッ!
・福祉…?高齢者とか障がい者のことやってんのかな…?ん、ドウブツ??
・捨て犬や捨て猫を保護しているのね、優しいわね。え、してない?…詐欺?
・焼き肉誘っちゃったよ俺。動物虐待者呼ばわりされるんかな…怖ッ!

テレパスじゃないけど、その後の会話と顔色で大抵はわかるってもんです。
猫も歳とれば猫又になるし、女も歳とれば妖怪サトリになるってもんですw。

一番多いのは最初のパターン。
なのでいつも説明欲が満たされないのでw、ここで解説させてください。
間違ってたらごめん。一部は私見ですし。

動物愛護、動物福祉、動物の権利、動物保護。
それぞれの言葉の意味と、わしの想い。

1、動物愛護

動物福祉より、動物愛護、って言葉のほうが通りやすいし、一般的だよね。
しかも、「動物愛護活動してるんでしょ、何が違うの?」って言われると、
おっしゃる通りで…としか言えまつぇん。
でもねー、違うんよ。

ちなみにこれ、明治40年くらいに作られた日本語。
英語からの翻訳、ではありません。英語にはこんな言葉ないんす。
だから、日本語の「動物愛護」を英訳するときは、本当は違うんだけど、
「animal welfare」って訳しちゃうことに。
animal welfareは動物福祉、なんだけどねー。

日本で一番最初の動物愛護団体を作った広井辰太郎っていう牧師さんが、
「作った」言葉と言われています。

広井牧師が立ち上げた団体名、最初は「動物虐待防止会」って名前
だったんだけど、後から「動物愛護会」に変えたんだって。
(動物虐待防止会ってのは、イギリスの世界最古の動物団体で、
今もバリバリあるってか、世界的な団体「RSPCA(王立動物虐待防止協会)」
からとったんやね。こっちは200年前!から名前変わってません。)

ドウブツのことなんか誰も言ってない世の中で、いきなり「動物虐待防止」
なんて言うと、伝わりづらいし、字面からしてオドロオドロしいからw、
いっちょ言葉つくっちゃろう!わかりやすくしたろう!と思ったのでは。
正しいよね。
辰太郎、牧師さんなのにコピーライターの才能もあったのかしら。

んで、動物愛護。
愛して護る。

とっても素敵な言葉なんだけどね。
虐待防止、なんてストレートでいかつい言葉ではない、
日本人らしい、フワッと優しい言葉だよね。

だけどねー、この言葉のせいで、現代ではなんか色々と行き詰まったり、
わかりにくくなってる気がするんよ。

だって、「愛」の対象や方法は人それぞれだし、
「護る」って何からどうやって護るのよ、って感じじゃん。
法律の名前も「動物の”愛護”と管理に関する法律」だけど、
動物を愛さない人の存在も認めないと、反発されるだけだよね。

動物愛護=動物を愛そう、かわいそうな動物を護ろう。

だとすると、人によっては、「食肉牛もかわいそうだから護ろう」
はたまた、「不妊去勢手術は動物を愛する精神に反する」とかさ、
100人いたら100通りの、いろーんな「愛し方」「対象」「護り方」
になっちゃうじゃん。
しかも、動物を愛さない人は認めない、的な前提だし。

だから、怪訝な顔をされても、わしは「動物福祉」という言葉を
使いますのじゃ。まあ、面倒くさいときは「動物愛護活動でーす」とか
思いっきり言ってるけどねw。

2、動物福祉 animal welfare

ここは公益社団法人日本動物福祉協会さんのホームページから勝手に
引用させていただきましょう。

・・・
「動物が精神的・肉体的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和していること」。
・・・

だそうです。
動物は可愛いから可哀想だから愛するとか護る、とかいうのではなく、
動物の健康と幸せ、他の環境と齟齬がないか、を見るのが、動物福祉ってことやね。

だから、動物福祉は、動物を愛してようが嫌いだろうが、「すべての人間」が
遵守すべきことだと思いまつ。

だって、動物を愛してない人も、動物なしには生きていけないよね。
地球上に人間しかいなかったら、地球上の生態系は成り立たないし、っていうか、
人間も動物だし。
(あ、動物を愛しているからこそ、動物なしで生きていく!って人もいるよね。
そのことは、次の「動物の権利」のとこで。)

さらに引用すると、こう書いてありました:
・・・
動物も人間も命あるものであり、感覚があります。
人間以外の動物の基本的ニーズ(生理的、環境的、行動的、心理的、社会的)は
人間と共有しています。
飼育下あるいは人間によって制限された環境にいる動物たちは、
これらのニーズを自身で充たすことは出来ません。
ですから、人間にはそのような動物ができる限り快適に、
できる限り苦痛をうけずに生活できるようにする義務と責任があります。
・・・

ここには、国際的な動物福祉の基本「5つの自由」も書いてありました。
(引用は省略するからここ読んでね→ http://jaws.or.jp/welfare01/ )
5つの自由って、「新鮮な水が飲める」とか「痛みや苦しみがない」とか、
要は動物福祉の具体的な「基準」のことですな。

そう、「愛護」だと、人それぞれ&感情論になりがち、なのが、わしはあんまり
好きじゃないのです。愛は基準化なんて出来ないし。
「福祉」だと、科学的な根拠ある基準も共有できて判断しやすいし、そして、
命を護るのではなく、「福祉」を守った上でなら、食肉や革靴も許されるし。

そうそう、わしね、ガンガン肉食う人です。ビーガンじゃないっす。
動物福祉を守ってない一部の悪徳牧畜業は許さないけど。
でも、全部自分でチェックできないし(欧米はそういう基準がある国多いけど)、
将来はいっそ、自分の分は自分で獲る、狩猟家になりたいと思ってるくらい。
化粧品の動物実験は不要だと思うけど、生命に関わる薬のための実験は、
代替する方法が無い場合は、申し訳ないけどしょうがないと思うし。

ということで、次に説明したいのは「動物の権利(アニマルライツ)」なわけよ。

3、動物の権利 animal rights

ジェレミー・ベンサムとかヘンリー・ソルトとかの歴史的な話じゃなく、
アニマルライツについて端的に意味だけ説明すると、

「動物は人間と同じように”権利”があるので、それを人間が阻害してはならない。」

ってこと。
要は、食べるために殺したりしちゃいけないし、いかなる動物実験もダメ。
ファーコートなんてもってのほか。

もちろんこういう考え方もあって良いと思うし、わしの考えも一部はカブってる。
化粧品のための動物実験とか、防寒じゃなく単なるファッションの
ためのファーコートは反対、とかさ。
だけど、肉は食べるし、革靴は履くし、薬も飲みます。

ドウブツのことやってる人たちはよく、動物福祉(アニマルウェルフェア)派か
動物の権利(アニマルライツ)派か、とかいう話をするけど、
多くの人はわしみたいな「◯◯だけど一部は折衷派」だと思う。
人それぞれ、「ここまでは許すけどこれはダメ」ってラインは違うしね。

ってことで、賛成する部分もあるけど、わしはアニマルライツ活動ではなく、
動物福祉の活動をしています。愛護でもなくね。

たまに、「動物愛護のことやってるのに、なんで肉食うのか?この偽善者!」
とか攻撃されることがあります。
そういう時にも、「いえ、愛護じゃなくて福祉ですし、ライツではないっすー、
でももちろん意見は否定しませんよ♪」ってハッキリ言えるのも、愛護より
福祉の良いところだね!
(まあ、粘着する人には何を説明してもわかってくれないけどねw)

あ、ここからは用語の説明じゃなく、個人的な感覚の話だから許してほしい
んだけど、もう完全に好みの問題なんだけど、アニマルライツ系の運動は、
過激になりがちだったり、ストレートすぎる残酷な表現が多い、っていう傾向も
若干あって、そこが少々苦手っちゃ苦手。
(心弱いから、血まみれのミンクの写真とか見させられると逃げ出したくなる…)
しつこいけどw、このことは単なる個人の好みの話だから許してね!

でも、考え方も表現も自由。
一部賛成だし、アニマルライツについてまったく否定はしません。
だから、わしのこともほっといてねw。

4、動物保護

これは説明不要やね。
対象となる動物が野生動物か愛玩動物(ペット)か、とかはもちろんあるけど。

ちなみに、わしの活動領域はペット、犬と猫ね。最近は猫活動が多いね。
でも、動物保護の現場活動は、基本的にはしていません。
たまにはやってるけど。

じゃあ動物福祉の活動って何してんのよ、と疑問に思うでしょうが、
動物福祉の啓発とか、動物保護団体への中間&後方支援、です。
具体的には色々で、イベントやったり、配布物作ったり、寄付したり、
お金集めしたり、広報活動したり、事務仕事を手伝ったり、新しい飼い主
を探したり、ペット飼育の相談に乗ったり、保護動物の斡旋したり、色々。

もちろん保護活動の現場は一番重要です。
でもね、現場以外の活動をしなかったら広がりは無いし、現場の皆さんを
助ける人も必要だし、
なんつってもわしには、現場は無理だから。
保護活動の現場ができるのは、選ばれた素晴らしい人なのです。
わしみたいなダメ人間にはとてもじゃないけど無理、ってのが初期の活動
で早々にわかったので、啓発とか支援に徹してるの。

どういうふうにダメなのか?なんでそれがわかったのか?
ってのはまた今度ね。なかなか濃い体験だったから、共有したい。

でもね、現場はやらない(やれない)、と決めていたわしですが、実は今年、
どエラいヘビーなとある現場の保護活動に、先頭きることを決意しました。
そのこともまた今度ね。っていうか既に心くじけそうなので手伝ってーw!

長々スンマセン。
説明欲が満たされましたw。

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